マツコ・デラックスが『見た後一か月泣き続けた映画』って?
『ダンサー・イン・ザ・ダーク』です。
本当に救われない鬱映画だけど、面白いよ…!
- ダンサー・イン・ザ・ダークのあらすじ・見どころ
- 最後に出てくる字幕の意味を考察
- この作品が好きなあなたに見て欲しいオススメ映画3選
2000年公開・歌手のビョーク主演、カンヌ国際映画祭で最高賞『パルム・ドール』を受賞した話題の作品です。
マツコ・デラックスさんや松本人志さんなど、たくさんの芸能人が『オススメの映画』としてTVで紹介しています。
特にマツコ・デラックスさんはTVやラジオで何度も本作を紹介しています。
マツコ・デラックスの”ここ見てポイント”
- 向かい風の嵐で、とにかくつらい
- 夢見がちな人には合うかも
- 妄想のミュージカルシーンが見どころ
※伊集院光さんとのラジオ対談にて言及
マツコ・デラックスさんは主人公を自分と重ね合わせてしまい、長く引きずってしまったそう…
本記事ではダンサーインザダークの魅力と衝撃のラストシーンを考察していきます。
また、ダンサー・イン・ザ・ダークのような鬱映画好きに見ていただきたいオススメ映画も紹介します。
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『ダンサー・イン・ザ・ダーク』作品ページに飛びます
本ページの情報は2022年6月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。
ダンサー・イン・ザ・ダークのあらすじ
セルマは女手ひとつで息子を育てながら工場で働いていた。親友や隣人夫妻らの愛に支えられながらも、セルマには誰にも言えない悲しい秘密があった。その秘密は病のため視力を失いつつあり、息子も手術を受けない限り同じ運命をたどるというものだった。
U-NEXTより引用
主人公のセルマ(ビョーク)は『何より息子ジーンのため』に命がけで働きます。
まわりには内緒で手術費用を貯めていました。
しかし大家で警察官のビル(デヴィッド・モース)のことは信用し、ジーンの手術のために貯金をしていることを話してしまいます。
以下結末までのネタバレあり
お金に困っていたビルは、セルマが眼鏡を外して見えないすきを狙って手術費用を盗みます。
費用を盗まれてしまったセルマは、ビルともみ合いになっている間に彼を誤って射殺。
奪い返した手術費用を医師に渡したあと、殺人犯として逮捕されます。
裁判の場では、本当のことを断固として話さないセルマ。
手術費用を自分の弁護士費用に充てれば死刑も免れたけど、拒否しちゃうんですよね…。
結果として絞首刑が執行されることになってしまいました。
死刑執行の日、セルマに同情した女性刑務官の助言通りに107歩、妄想の中で踊りながら絞首台へと向かいます。
あまりの恐怖で混乱し、暴れるセルマ。
そんな彼女の手に握らされたのは、息子のジーンがいつも使っていた眼鏡。
親友であるキャシー(カトリーヌ・ドヌーブ)が「息子の手術は成功した」と教えてくれました。
安心し、『最後から2番目の歌』を歌うセルマ。
歌い終わる前に刑が執行され、セルマの命は絶たれてしまうのでした。
ラストシーンは初めて見たとき、あまりの衝撃で心臓が止まるかと思いました…。
鬱映画・ダンサー・イン・ザ・ダークの見どころ(ネタバレあり)
『ダンサー・イン・ザ・ダーク』の見どころオススメポイントを紹介します。
- 向かい風の嵐で、とにかくつらい
- 夢見がちな人には合うかも
- 妄想のミュージカルシーンが見どころ
マツコ・デラックスさんの『ここ見てポイント』に沿って解説していきます。
ポイント①向かい風の嵐で、とにかくつらい
失明が近づく、シングルマザーの主人公セルマは困難が続きます。
- 視力低下で工場勤務が危険になり、ミス連発
- 視力低下で台本が読めず、大好きなミュージカルの主役を降ろされる
- 貯金が目標に達成したところで盗まれ、どん底に突き落とされる
そんな中でも親友の存在や、セルマに好意を持っている男性など、セルマを助けようとしている人はいました。
しかし誰もセルマの運命を変えることはできませんでした。
「なんとか彼女を助ける方法はないのか」と、セルマの友人に感情移入をしてしまうと、つらい展開が続きます。
ポイント②夢見がちな人には合うかも
ダンサー・イン・ザ・ダークでは主人公セルマが妄想の世界に入るシーンが何度もあります。
妄想の世界に入るタイミングは決まって【つらい気持ちになったタイミング】です。
セルマは困難があると、脳内で大好きなミュージカルが始まります。
ミュージカルの中での彼女はとても自由で生き生きとしています。
そのかわり、曲が終わった途端に強制的に現実に引き戻されてしまうんですよね。
妄想とリアルのギャップに、セルマも視聴者も苦しみます…。
つらいことがあったとき、楽しいことを考えるようにしている方は、彼女の行動や感情に感情移入できます。
私も楽しいことを妄想しがちなので、映画を観ている間の感情はジェットコースター並みに上下しました。
ポイント③妄想のミュージカルシーンが見どころ
前述したミュージカルシーンは映画で最大の見せ場です。
世界で活躍される人気歌手ビョークの表現力が素晴らしく、鳥肌が立つほど響きます。
演技との表情、空気感がガラッと変わります!
圧倒され、見入ってしまいます。
工場での機械の音、線路を走る列車の音など、様々な音から妄想のミュージカルを繰り広げます。
特に迫力があったのは、セルマが初めて妄想の世界に入り込む工場でのシーン。
工場内を駆け回りながら、職員全員を巻き込んで高らかに歌い踊る姿は本当に楽しそう!
一気に映画の世界に引き込まれました。
しかし、ストーリーを追うごとに、妄想のミュージカルや歌唱シーンも不穏な空気感になっていきます。
ラストに歌った『最後から2番目の歌』は重かったなぁ…。
続いては衝撃のラストシーンを考察していきます。
最後の字幕の本当の意味とは?(ネタバレあり)
映画のラストに流れる字幕が意味深…。
あれはどんな意味を持っているんだろう?
ダンサー・イン・ザ・ダークのラストはセルマの歌唱が絞首刑によって終わってしまいます。
そのあと、無音のまま映し出されるフレーズが。
これはセルマが絞首刑の直前に歌う『最後から2番目の歌』の歌詞です。
自分が絞首刑になったとしても、愛する息子ジーンの未来は続いていく。
希望がある限り終わりじゃない。
そんなメッセージを伝えたかったのではないでしょうか。
当初のエンディングは【息子の手術が失敗し、絞首刑を受ける】救いようのないストーリーでした。
しかし主演のビョークが監督に「あまりにも救いがない」と結末を変えるよう説得したというエピソードがあります。
描写は残酷ですが、この歌と字幕のおかげで少しだけ穏やかな気持ちになれます。
悲しい結末でも、彼女にとってはハッピーエンドだったかもしれませんね。
つらくて悲しい映画だと思っていましたが、
親の立場になってからこの映画を観ると見方が変わりました。
ダンサー・イン・ザ・ダークは実話?
ダンサー・イン・ザ・ダークは実話なのでしょうか?
実話だとしたらあまりにも残酷ですよね…。
調査したところ、実話といった情報はありませんでした。
脚本も務めたラース・フォン・トリアー監督が自ら書いた原作本が販売されています。
本作の内容や劇中歌の歌詞と対訳、スチール写真などもふんだんに収録されていますので、より世界観に浸りたい方は要チェックです。
ダンサー・イン・ザ・ダークを彩るキャスト・監督を紹介
ダンサー・イン・ザ・ダークのキャストと監督を紹介します。
セルマ(ビョーク)
弱視の主人公を演じるのはビョーク。
ミュージカルシーン、テーマソングの作曲も担当しています。
楽曲提供の依頼を受けた後、主演としての配役依頼を受けたそう。
アイスランド出身の歌手で、『ダンサー・イン・ザ・ダーク』は出演映画2作品目でした。
キャシー(カトリーヌ・ドヌーブ)
キャシーはセルマの働く工場の同僚であり、世話を焼いてくれる良き親友。
弱視のセルマが工場でミスをおかしても、必死にかばってくれます。
演じるカトリーヌ・ドヌーブは1943年生まれ、フランス・パリを代表する女優です。
代表作は『シェルブールの雨傘』(1964)。
ベネチア国際映画祭やベルリン国際映画祭の銀熊賞など、数々の名だたる映画祭での受賞歴もあります。
ビル(デヴィッド・モース)
セルマの住むトレーラーハウスの大家であり、地元の警察官を務めているビル。
父の莫大な遺産で妻リンダに贅沢させ放題だが、実際の残高はとうに底をつき、自殺を考えるほど追い詰められていた。
演じるのはデヴィッド・モース。1953年、アメリカ出身の俳優です。
- 12モンキーズ(1995)
- ザ・ロック(1996)
- 交渉人(1997)
- グリーン・マイル(2008)
グリーン・マイルの印象が強いですよね。
コワモテだけどベビーフェイスの演技派俳優です。
ジェフ(ピーター・ストーメア)
ジェフはセルマに思いを寄せる男性です。
セルマの病気を知り、助けになれないかと積極的に手助けを試みますが、セルマに拒否されてしまいます。
演じるのはスウェーデン出身の俳優ピーター・ストーメア。
1953年生まれ、デヴィッド・モースと同い年です。
『レナードの朝』(1990)でアメリカ映画デビューを果たし、その後は『アルマゲドン』(1998)や『コンスタンティン』(2005)など、様々な映画で個性派俳優として活躍しています。
監督・脚本はラース・フォン・トリアー
『ダンサー・イン・ザ・ダーク』の監督を務めるのはデンマーク出身の映画監督ラース・フォン・トリアー。
ダンサー・イン・ザ・ダーク以外にも『見るのがしんどい』作品を多く手掛けています。
ラース・フォン・トリアー監督の鬱映画を紹介
ラース・フォン・トリアー監督のとっておきの鬱映画作品を3つ紹介します。
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恐ろしい村社会を見る『ドッグヴィル』
アメリカの山外れにある小さな炭鉱の町(通称:ドッグヴィル)
人口わずか23人の閉鎖的な村に、ギャングに追われた慈悲深い女・グレース(ニコール)が訪れる。
彼女を発見したドッグヴィルの住人トム(ポール・ベタニー)は彼女をかくまおうと村人に提案。
よそ者が村の住民になることを嫌がる町民。
トムは「2週間村のために労働で奉仕をすれば、認めてもらえるかもしれない」と話し、グレースは村のために働き始めるのであった。
子持ちが見るのは辛すぎる…『アンチクライスト』
愛し合っている最中に子供が窓から転落死してしまった夫婦。
深い悲しみと自責の念に駆られた妻は次第に精神を病んでいき、セラピストである夫は自ら妻を治療しようとする。
妻の恐怖が森の山小屋から来ていると判断した夫は、妻と共に森へ向かうが…。
U-NEXTより引用
胸糞ながらもちょっぴり笑える『ハウス・ジャック・ビルド』
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ある雪の日、車が故障して立ち往生している女性を見かけ、修理を手伝うことに。
高慢なその女性と接しているうちに、ジャックは衝動的に彼女を殺してしまう。
U-NEXTより引用
ダンサー・イン・ザ・ダークを見たみんなの感想
ダンサー・イン・ザ・ダークを見たSNS上、また独自アンケートでの感想を紹介します。
セルマにイライラした
周りがいい人すぎるので、身勝手なセルマの行動にイライラした。
頼れる人がいるならもっと頼ればいいとおもった。
アンケート/10代/女性/学生
セルマの行動にイライラする方が多いんですね。
バッドエンドともハッピーエンドとも受け取れる映画
セルマの選択をどう受けとるかによって、結末の解釈は変わりそうですね。
【マツコの鬱映画】ダンサー・イン・ザ・ダークの魅力をネタバレ徹底考察まとめ
本記事では『ダンサー・イン・ザ・ダーク』の魅力と結末の考察を行いました。
バッドエンド映画と、鬱映画として必ず名が挙がる本作。
「二度と見たくない」「定期的に見てしまう」こんな両方の意見が聞かれる映画もそう多くはありません。
筆者が初めてみたのは高校生の時で、当時は息子を置いて亡くなる選択をしたセルマにイライラの感情を抱きました。
しかし10年後、母親になって改めて鑑賞すると、息子のために固く口をつぐんだセルマの気持ちも理解できるようになりました。
ラストシーンでセルマは「物語はまだ終わっていない」というメッセージを残しています。
一回目の鑑賞でトラウマが残っている方も、もう一度『ダンサー・イン・ザ・ダーク』を鑑賞してみてはいかがでしょうか?
見終えた後の感情が以前と変わっているかもしれません。
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