『白雪姫』の実写版が公開前から大きな論争を巻き起こしました。主演女優レイチェル・ゼグラーの発言やキャスティングなど、ネット上が炎上状態に。YouTube予告編の低評価数は高評価を大きく上回り、IMDbでは1.6点という厳しい評価を記録しています。
本記事では、この騒動の背景と各論点を詳しく解説します。
白雪姫の実写版が炎上した最大の理由
『白雪姫』実写版の炎上は、主演女優の発言が最も大きな要因です。レイチェル・ゼグラーは各種インタビューで、1937年公開のオリジナル版アニメに対し否定的な見解を示しました。
「オリジナルのアニメ映画は女性の社会的地位や役割に対する考え方がありえないほど古臭い」引用元:映画.com
王子の描写を「ストーカーのような男」と表現。さらに「真実の愛を夢見ない白雪姫」を強調したことで、原作ファンから強い反発を受けました。
オリジナル版への批判的発言
ゼグラーはメディア取材で、アニメ版の物語設定そのものを「奇妙だ」と断じています。彼女が演じる白雪姫は「王子に救われることはない」と語り、自立したリーダー像を前面に押し出しました。この姿勢が「原作へのリスペクト不足」と受け取られ、長年ディズニー作品を愛してきた層からの批判が集中する結果となりました。
現代的価値観の押し付けと受け取られた発言
「1937年ではない」という彼女の強気な発言も波紋を広げました。ポリティカル・コレクトネスを重視する姿勢は理解できるものの、表現方法が懐古的なファンとの間に深い溝を作ったのです。原作を大切にする人々にとって、この発言は自分たちの価値観を否定されたように感じられました。
キャスティングを巡る論争
白雪姫実写版のキャスティングも大きな議論を呼びました。主人公の最大の特徴である原作のグリム童話で「雪のように白い肌」と描写されているという設定が変更されたことに対し、原作の世界観を重視する層から疑問の声が上がったのです。コロンビア系にルーツを持つゼグラーの起用は、多様性の観点からは評価される一方、原作との乖離を指摘する意見も多数見られました。
名前の由来が書き換えられた理由
批判を回避する目的か、実写版では名前の由来が大きく変更されました。従来の「雪のような白い肌」ではなく「猛吹雪の日に生まれたから」という設定に。この変更は「強引な後付け」として、さらなる不満を生む要因となりました。原作の核となる要素を変えてまで映画化する必要があったのかという疑問が投げかけられています。
7人のこびとを巡る二重の批判
当初ディズニーは、ステレオタイプを避けるため多様な身長・人種の俳優を「魔法の生き物」として起用する方針でした。しかしこの判断が、予想外の二方向からの批判を招きます。小人症の俳優ピーター・ディンクレイジは「時代遅れな物語をまだ作るのか」と企画自体を批判。一方で「小人症の俳優から貴重な役を奪っている」という真逆の批判も噴出しました。
CGIキャラクターへの方向転換
結局ディズニーは、こびとたちをCGIによるキャラクターに変更する決断を下しました。この対応は批判を避けるための妥協策と見られ、製作側の迷走ぶりを印象づける結果に。当初の理念も失われ、誰のための変更だったのか不明瞭なまま、プロジェクトは進行していきました。
物語の大幅な改編内容
実写版は現代的な価値観に合わせ、物語の根幹部分にも大きな変更を加えています。伝統的な王子様は登場せず、代わりにジョナサンという泥棒キャラクターが登場。ロマンス要素は大幅に削減され、「いつか王子様が」などの名曲もカットされました。恋愛よりも「自分がなれるリーダーを目指す」という新たなテーマが中心となっています。
ロマンスの排除が物語に与えた影響
原作の重要な要素だったロマンスの排除は、作品の方向性を根本から変えました。「真実の愛のキス」で目覚めるという象徴的なシーンも、おそらく別の形で描かれるでしょう。ディズニー映画実写化の流れの中でも、ここまで大胆な改変は異例です。
主演女優の政治的発言が招いた波紋
ゼグラー個人の政治的スタンスも、作品イメージに影響を及ぼしました。彼女はSNSでトランプ大統領とその支持者を非難する投稿を行い、後に謝罪しています。また映画告知に合わせて「Free Palestine(パレスチナを解放せよ)」と投稿したことで、保守層を中心にさらなるバッシングが加速しました。
共演者との政治的対立構図
女王役を演じるガル・ガドットはイスラエル出身で、自国支持を表明しています。ゼグラーとの政治的思想の違いがメディアで取り上げられ、撮影現場での関係性まで憶測を呼ぶ事態に。本来は作品の魅力を伝えるべき宣伝期間が、政治的論争に費やされる結果となってしまいました。
ネット上での評価と反応
YouTube予告編では、低評価が高評価の数十倍にあたる約66万件以上を記録。IMDbでは10点満点中1.6という異例の低スコアがつけられました。ネット上では「これは白雪姫ではない」「毒リンゴを応援したくなる」といった皮肉混じりのコメントが飛び交い、公開前から作品の評判は地に落ちていました。
出典元:ラファエロ【Disney】
CinemaScoreでの過去最低評価
観客による評価を示すCinemaScoreでは「B+」を記録し、ディズニー実写映画史上過去最低の評価となりました。通常ディズニーの実写化作品はA-以上を獲得するため、この数字は異常事態を示しています。批評家による評価もRotten Tomatoesで支持率46%前後と賛否両論で、作品として成功したとは言い難い状況です。
擁護意見と実際の作品評価
一部からは「実際に観れば歌唱力は素晴らしい」「そこまで悪くない」という擁護意見も出ています。ゼグラーの歌声は高く評価されており、技術的な面では一定の水準を保っているとの指摘も。しかし公開前の炎上があまりに大規模だったため、こうした肯定的な声はネット上のノイズに埋もれてしまいました。
まとめ
『白雪姫』実写版の炎上は、主演女優の発言、キャスティング、物語の改変、政治的スタンスなど複数の要因が絡み合った結果です。原作へのリスペクトを求める声と現代的な価値観との間で、製作側は明確な答えを示せませんでした。ディズニー実写化の歴史の中でも特異な失敗例として記録されることになりそうです。


