2024年12月に公開された『はたらく細胞』の実写映画が、興行収入63.6億円を超える大ヒットを記録しています。一方で「はたらく細胞の実写化がひどい」という声もネット上で見受けられます。実際のところ、作品の評判はどうなのか。主題歌やキャスト情報とあわせて詳しく解説します。
『はたらく細胞』の実写版はどんな作品か
清水茜による人気漫画『はたらく細胞』と、スピンオフ作品『はたらく細胞BLACK』を原作とした実写映画です。監督は『翔んで埼玉』や『テルマエ・ロマエ』で知られる武内英樹氏が務めています。脚本は徳永友一氏が担当しました。本作では原作・アニメシリーズ初となる「人間の世界」が描かれており、体内の細胞たちのドラマと並行して、現実世界の親子の物語も展開されます。
出典元:アニプレックス
シリーズ初の「人間世界」を描いた意欲作
体内パートでは赤血球や白血球といったおなじみの細胞たちが活躍します。一方の人間パートでは、不摂生な生活を送る父・漆崎茂と、健康で真面目な娘・漆崎日胡の親子関係が丁寧に描かれています。二つの世界が交差しながら物語が進む構成は、原作ファンにとっても新鮮な体験といえるでしょう。
豪華キャスト陣を一挙紹介
本作の大きな魅力のひとつが、主役級の俳優たちが細胞を演じるという豪華なキャスティングです。アニメや漫画で親しまれてきたキャラクターたちを、実力派俳優たちがどう表現しているか注目が集まりました。各キャストの役柄をまとめて紹介します。
赤血球・白血球を演じるW主演
体内パートの中心となるのが、永野芽郁さんと佐藤健さんのふたりです。永野芽郁さんが演じる赤血球(AE3803)は、酸素を届け二酸化炭素を肺に戻すという使命を一生懸命こなす姿が描かれています。佐藤健さん演じる白血球(U-1146)は、細菌やウイルスを排除する戦闘員として、切れのあるアクションシーンを披露しています。
人間パートを支える親子役
人間世界の物語を担うのが、阿部サダヲさんと芦田愛菜さんの親子コンビです。阿部サダヲさんが演じる父・漆崎茂は、暴飲暴食を繰り返す不摂生な人物として描かれています。芦田愛菜さんが演じる娘・日胡は健康で真面目な高校生ですが、物語の後半で重大な異変に見舞われます。ふたりの演技の対比が、作品に深みを与えています。
個性豊かな免疫細胞キャスト
免疫細胞を演じるキャストも、それぞれ強烈な個性を放っています。山本耕史さんがキラーT細胞の武闘派司令官を、仲里依紗さんが本能的な攻撃力を持つNK細胞を演じています。松本若菜さんは優雅さと高い殺傷能力を兼ね備えたマクロファージを担当。マイカ・ピュさん演じる血小板は、可愛らしい見た目で多くの観客の心をつかみました。
最強の敵を演じるFukase
体内に現れる最大の脅威を演じるのが、SEKAINOOWARIのFukaseさんです。白血病細胞という役柄で、これまでの出演作とは一線を画す怪演を披露しています。ミュージシャンとしての独特のオーラが、難役にリアルな説得力を与えており、作品全体の緊張感を高める重要な存在感を発揮しています。
「はたらく細胞の実写化がひどい」と検索される本当の理由
「はたらく細胞の実写化がひどい」と検索するユーザーが一定数存在します。ただし実態を調べると、作品の質を否定する声というよりも、展開のショッキングさに対する驚きや戸惑いの声が大半を占めています。「ひどい=つまらない」ではなく「ひどい=心が痛むほど過酷」という意味合いで使われているケースが多いようです。
白血病描写が「重い」と感じる視聴者も
映画オリジナルの展開として、娘の日胡が急性白血病を発症するという展開が描かれます。それまで健康だった体内が急速に荒廃していく様子は、医学的な観点からもリアルに表現されており、「見ていて苦しかった」「涙が止まらなかった」という感想が多く見られました。教育的な作品として鑑賞を始めた親子連れには、特に衝撃が大きかったようです。
主要キャラクターの「消滅」が与える衝撃
原作やアニメでは細胞が死滅するシーンはほぼ描かれません。しかし本作では、白血病や放射線治療の影響により、NK細胞やキラーT細胞、さらには主役の白血球までもが次々と消滅していきます。思い入れのあるキャラクターたちが失われていく展開に、「ショックすぎる」「トラウマになりそう」と感じた視聴者も少なくありませんでした。
コメディとシリアスのギャップに戸惑う声
前半は体のしくみをわかりやすく伝えるコミカルな場面が多く続きます。後半に入ると一転して、戦場を思わせるような緊迫した展開が続くため、そのトーンの落差に困惑する意見も見受けられました。ただしこの構成は意図的なもので、笑いの後に訪れる感動と悲劇をより際立たせる演出として機能しています。
主題歌「50%」はOfficial髭男dismが担当
本作の主題歌を手がけたのは、Official髭男dismです。楽曲のタイトルは「50%(フィフティパーセント)」。ボーカルの藤原聡さんが原作の熱心なファンであることが制作のきっかけとなっており、映画のテーマと深く結びついた楽曲に仕上がっています。
「50%」に込められたメッセージ
Official髭男dismは制作にあたり
50%くらいの力加減で自分を労りながら日々生きて、譲れない瞬間や、大切な瞬間、そんな時だけ本気で頑張ったり、楽しんだりする。そんな塩梅で生きたいという願いを、100%の熱量を込めて作りました(引用:タワーレコード)
と語っています。映画のコンセプトにOfficial髭男dismが見事に呼応した一曲といえるでしょう。
興行収入が示す作品の評価
興行収入は63.6億円を超える大ヒットを記録しています。実写化作品として高いハードルが設けられる中、佐藤健さんのアクションや俳優陣の「なりきり」具合への評価は非常に高く、実写化の成功例として語られることも増えています。数字が示すとおり、多くの観客に受け入れられた作品です。
小さな子供と観る際は注意が必要
本作はファミリー向けの要素を持ちながら、後半はかなりシリアスな展開が続きます。白血病の描写や主要キャラクターの消滅シーンなど、小学生以下の子供には刺激が強い場面も含まれています。事前に内容を把握したうえで、お子さんの年齢や感受性に合わせて鑑賞を検討することをおすすめします。
まとめ
『はたらく細胞』の実写版の「ひどい」という声の多くが作品の質への批判ではなく、展開の重さや衝撃への率直な感想である点が明らかです。豪華キャストと主題歌、そして前半のコメディと後半のシリアスな感動が融合した意欲作として、多くの観客の心に刻まれた一本といえるでしょう。


